まとめ

 

19日間の旅を終えて,感じたことをまとめてみた。

・ドロミテの魅力

大草原の向こうに切立つ岩山の風景がすばらしい。今回はコルチナ地区とガルディナ谷地区に行ったが,これらはドロミテのごく一部である。しかも,世界遺産に指定されたところは,一般のトレッキングコースは含まれておらず,さらに数日間歩かなければ到達できないほど深い。そのようなドロミテの大きさと深さに魅了され,次回は少しでも世界遺産に近づいてみたい,という願望にかられた。

ドロミテはどこでもトレッキングコースがしっかりしており,地図と連動した標識があるため迷うことはない。「リフュージョ」と呼ばれる立派な設備がトレッキングコースの2-3時間ごとにあり,宿泊,食事,売店がある。しかも,値段は街中とほとんど 変わらない。トレッキングやマウンテンバイクが盛んな所以である。

ガルディナ谷の中央,サンタ・クリスティーナにはホスピタリティがある。町全体で客を迎える体制が整っている。立派なカタログ,インフォーメーション,親切な人々。彼らは日常ではラーディン語を話し,町ではドイツ語とイタリア語,観光客には英語を話す。

宿泊したHotel Uridlはさらに魅力的なホテルだ。部屋はそれほど立派ではないが,ここの食事はわざわざ日本から食べに行ってもいいくらいの価値がある。すべてがおいしい。海外でこれほどおいしい食事にありつけたのは本当に久しぶりだ。

・アウトドア・スポーツ

ドロミテに限らず,ヨーロッパではアウトドア・スポーツがとても盛んだ。トレッキング,マウンテンバイク,キャンピングなどの設備が整っており,若い人から老人まで,幅広い層がアウトドアを楽しんでいる。列車には必ずバイクが積める車両がついており,好きなところで降りて走る。

トレッキングもバイクも,子供がとても多い。小さいときからアウトドアに親しみ,健康を維持する。日本の子供たちももっとアウトドアに親しむべきだ。

・日本人の個人旅行

コルチナでは日本人のツアー客に多数会ったが,ガルディナ谷では日本人に1人も会わなかった。主要な観光地から少し外れると,日本人が非常に少ない。それに引換え,目立つのは台湾人の若い女性の2人連れだ。町や車内で多く見かける。日本人の個人旅行が盛んになったとは言え,まだまだツアー主体だ。 日本の「国際化」はこんなところでも遅れている。