まとめ

 

12日間の旅を終えて,これまでのトレッキングの旅と比較してみた。

1. カナディアン・ロッキーでのトレッキング

カナディアン・ロッキーでのトレッキングは,欧州の山と比較すると,いくつかの特長がある。
・緯度が高いため,高度が低くても雪山や氷河,高山植物を手軽に楽しむことができる。
・山頂へ行くのではなく,湖や盆地を目指してそこでの景色を楽しむのが一般的。
・トレイルがよく整備されており,ガイドがいなくても迷うことがない。
・トレイル情報がインターネットやインフォメで正確に知ることができる。

一方,欠点としては...
・公共交通機関がなく,トレイル・ヘッドまではレンタカーが必要。
・ケーブルカーやロープウェーがほとんどなく,高度を上げるには徒歩しかない。
・ホテルやレストランが比較的高い。ホテルは通常,朝食がついていない。レストランではチップが必要。

2. カナディアン・ロッキーのベストシーズン

今回は豪雨と洪水という特殊要因があったが,高山では雪のため閉鎖のトレイルも多かった。通常,このような高山のトレイルは,7月中旬以降にオープンするという。一方,8月下旬になると,早くも秋の兆しがあり,ベストシーズンは7月中旬から8月下旬の45日間程度,ということになる。ただ,雪山を見たければやはり6月下旬の方がいい。実際,今回の滞在中の後半には,高山の雪はかなり溶けていた。

3. 湖のランキング

今回は多くの湖を訪れたが,その中で特に印象に残った湖をランキングしてみた。

  国立公園 特徴
1 Moraine Lake Banff Ten Peaksを映す緑青色の湖面,展望台
2 Grassi Lakes Kananaskis 湧水による最高の透明度と岩山の絶景
3 Emerald Lake Yoho 近辺最高峰を写す湖面と周遊路
4 Consolation Lakes Banff 氷河湖の透明度と荒々しい岩肌
5 Lake Louise Banff 均整のとれた背景
6 Mirror Lake Banff Bee Hivesを写す透明度の高い湖面
7 Victoria Lake Yoho 濃い緑青色の湖面
8 Lake Agnes Banff 切り立った山々を写す黒い湖面
9 Ink Pots Banff 洪水による汚染なければ上位か
10 Lake Oesa Yoho 凍結なければ上位か

4. レンタカーについて

・交通ルールやレンタカーシステムが米国と同じで,運転しやすい。
・ハイウェーも町中も,道路が広く,運転は慎重で紳士的である。交差点では,信号がなくても互いに譲り合う。
・駐車場に苦労することはない。

5. チップについて

米国やカナダでのレストランではチップが必要。日本人には分かりにくく,戸惑うこともあるが,カナダでは15%が標準となっているようだ。クレジットカードの支払機では,言語(英語かフランス語か)の次に金額を確かめたあと,「チップ」画面が出てくる。まずは15%と表示され,そのまま進むか変更するか,という選択になる。

6. 公用語について

カナダでは英語とフランス語が公用語である。フランス語を第一言語とする人は,国民の22%で,主に東部に在住するが,全国どこでも英語とフランス語が掲示されている。カナディアン・ロッキーの山中でも同様であ った。