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Barumini

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バルーミニ (イタリア)


カリアリからのバスは
15時半ごろバルーミニBaruminiの十字路に着いた。バス停のすぐ前にカフェがあり,その裏手階上に予約したゲストハウスDiecizero Affittacamereがあった。チェックイン後,ス・ヌラジに向かった。

10分ほど歩くと左手に石の山が見えた。世界遺産ス・ヌラジSu Nuraxiだ。チケット売場へ行くと,「今なら16:00のツアーに間に合います」と係員が言った (ツアーは16:30まで,8.00Euro)。ツアーはすぐに始まった。と言っても,私1人だが。

ス・ヌラジはサルデーニャにある数多いヌラーゲの中でも最も大きくかつ保存状態のよいヌラーゲだ。高さ20mの中央塔の4隅に塔があり,さらにその周りを城壁が巡っている。その外側には住宅地が広がっている。 中央塔と4隅の塔の間には階上のデッキがあった。当時としては,超近代的な建物だった に違いない。中央塔はBC1500年ごろ建てられ,周辺塔はBC1200〜1400年ごろに増築されたという。


ス・ヌラジの復元図

ガイドとともに城壁に近付くと,周囲に住居群が現れた。中央塔に入ると,上部は開口しており,天蓋部分がなくなっている。側面には窓らしいものが2段あった。上の開口部は階上デッキへの出口らしい。おそらくこの中には,2階か3階建ての木製床や階段があったのではないか。

中央塔と周辺塔の間は回廊になっており,この上にデッキがあったと思われる。思うに,デッキは木でできていたのではないか。各塔への入口は暗くて狭い迷路のようになっていた。周辺塔の一つには井戸があり,これが「聖なる井戸」であることは間違いな い。別の周辺塔には深さ10m程度の貯蔵庫があった。穀物や獲物の貯蔵に使ったのだろう。

中央塔の周囲に見学用の階段があり,ここを上ると「村」全体がよく見えた。城壁の外側はハニカム構造の住居になっており,小さな家屋が肩を寄せ合うようにきれいに並んでいた。 住居の屋根は木や茅葺だったらしい。

ガイドによると,ここの石はすべて火山岩で,数10km離れた場所から運んだという。すでに車つきの台車があった。高い塔はエジプトのピラミッドのような作り方だった。土の斜面を作り, 重い石を引き上げたのち斜面を取り除くという手法だ。どの塔も大小の石を精巧に積み上げたもので,数千年もの間,地震などによく耐えた。

見学を終えたときはすでに夕陽がさしており,赤みを帯びたヌラーゲが殊更神秘的に見えた。3500年前の建築に感服し,想像力を掻き立てる時間であった。

なお,見学途中に,めずらしく日本から来たツアー団体に出会った。ユーラシア旅行社のツアーだ。この島で日本人に出会ったのはここだけだった。

ゲストハウスに戻り,レストランについて聞くと,ス・ヌラジへの道の右側にあるという。 夕食後,雨になった。

《バルーミニへの行き方》
カリアリからはARST社バスが午後2便のみ,サン・ガヴィーノからは午後1便のみ。現在のダイヤでは,バルーミニで1泊する必要がある。バスは下記カフェの前に停車。

《おすすめホテル》
Diecizero Affittacamere
Viala Umberto 38, Barumini
+393487986939
バス停前のカフェが経営するゲストハウス(カフェでの朝食つき40Euro)。デザインハウスで,部屋はきれい。タバコ屋,土産物屋もある。カフェは朝5:30から,タバコ屋 (バスチケット購入)は7:00から。カフェは,朝は朝食で,昼間はカフェで,夜はバーとして,村の寄合い所として賑わっている。 ス・ヌラジへ行く交差点にあり,絶好のロケーションだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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ス・ヌラジ

住居跡

住居跡


中央塔

中央塔内部

回廊下


周辺塔の頂上

周辺塔内部

聖なる井戸

頂上から住居跡

夕陽を受けるス・ヌラジ

Diecizero Affittacamereのあるカフェ