10月13日(水)
快晴
この日は「ツアー」の行程にしたがい,Popradské
plesoという湖に行くことにした。
朝8時前。タトラ電気鉄道の近くの駅でŠtrbské
Pleso行きの電車を待っていると,皆が道路の方へ移動した。今日はバスが運行するという。途中のVyšné
Hágy に来ると,初老の女性が
“Kommen Sie!”と言って降ろしてくれた。ここでは英語よりドイツ語の方が馴染みがある。ここで電車に乗り換えた。
Štrbské
Pleso駅の近くの湖を散策したあと,登山口に着いた。ここからはかなり急な登りになったが,しばらく行くと見晴らしのよい尾根に出た。約1時間後,Popradské
pleso湖に着いた。
途中,標識はかなりしっかりしていた。分岐路には必ずコースの色と方向を示す看板があり,さらに木や岩の随所にペンキで書いた小さな色マークがあった。今は赤コースを進んでいる。
湖畔のレストランでコーヒーを飲んだあと,ガイドブックを読むと,コースBのSedio
pod Ostrvou (1,966m)山頂は非常に見晴らしがよい。登りはかなりきついが,湖を見下ろす景色は
“reward
the effort”(行く甲斐がある)とあった。標高差は480m。標識には「頂上まで1時間」とあった。「何だ。高尾山程度じゃないか。よし,登ろう」と思ったのが大きな間違いだった。
登り道はかなり急で,岩をまたいで道なき道を行く。コースを示す赤いマークを頼りに登って行った。やっとの思いで頂上に着いたのは正午。1時間半かかった。あまりに急なスロープで岩だらけの道なので,このまま引き返すのは非常に危険。2〜3人に聞くと,やはり直進して尾根道を進んだ方がよいという。ガイドブックには
“less
demanding”(そんなにきつくない)とあった。
ところが,この尾根道も岩だらけ。やはり赤いマークを頼りに少しずつ進む。2時間ほど進んだところで数名のグループに出会った。「もうすぐ沢道との三叉路がある。黄色のコースへ行きなさい。沢を降りると,麓まで3時間」という。もう時計は2時半を指していた。
やっと沢道に入ったが,今度は砂利,さらに下に行くと木の根っ子に阻まれ,なかなか進まない。そのうち,足が嗤うどころか,痙攣を起こし始めた。この沢ではまったく人に会わない。このまま止まったら,凍え死んでしまう。休んでは少し歩き,足をなだめながら歩いた。麓の駅Vyšné
Hágyに着いたのは,5時すぎだった。 |