10月15日(金)
曇り
朝8時,ツアー会社の若い男性Ondrejさんが車で迎えにきた。約40分でスロヴァキア・パラダイスの入口に着いた。ここに車を降りて,いよいよトレッキングの開始だ。
スロヴァキア・パラダイス国立公園は179km2の広大な公園で,300kmに及ぶトレッキング・コースがある。その多くは鎖,梯子,木橋を頼りに進む険しい道だ。今回はPodlesokから,コース2のSuchá
Velláを進んだ。滝が何段もあり,その横を梯子で登る,非常に険しいコースだ。ここはガイドなしではとても来れないところだ。
初めは河原の道を進んだが,やがて枕木のように横板が打ち付けられているだけの木道がいくつもあった。渓流の上を渡り,大きな岩の横に沿って進んだが,鎖のないところもかなりあり,体のバランスを取りながら進む必要がある。幸い,私はヨガをやっているので,バランス感覚はあるはずだ。それでも時々,Ondrejさんの手を頼りにする必要がある。
さらに進むとステンレス製の梯子がいくつも現れた。角度の高いものは上の段を持って上がることができるが,45ْ°程度の傾斜では鎖に摑まりながら歩く。
いくつもの木道,梯子を渡り,ついに大きな滝の横にある,一番長い垂直の梯子に来た。1段1段,踏みしめるように慎重に登った。意外に簡単だったが,振り返ると目が眩むような高さだった。
さらに渓流を登り,木道,梯子を渡った。木々は緑から黄緑,さらに黄色から橙色に変化していた。欧州の木は一般に,黄色から橙色に近い色に変化するが,決して赤くはならない。これは夏の間の日照が弱いためだろう。
ようやく尾根に出て休憩したのち,約1時間かけてふもとの駐車場に戻った。標高差400mを登ったので,その分降りなければならない。「こんなに登ったかな」と思うほど遠かった。
ガイドのOndrejさんはとてもよくやってくれた。沢登りの注意だけでなく,植物や動物の特性を丁寧に教えてくれた。若くて力持ちなので,頼りになる。名ガイドだ。政治,経済,文化などの知識も豊富で,ドライブの途中に多くの知識を得た。英語も堪能だ。
帰路,Popradの町を見学。St
Egidius教会の内部も見て,祭壇や周囲の像についてくわしく説明してくれた。祭壇はいくつもあり,それぞれに受胎告知,誕生,
最後の晩餐などのレリーフがあった。いずれも大きな木製であった。 |