このブログは,21日間にわたる地の果て パタゴニアの旅の記録である。
「パタゴニアの大自然に触れてみたい」という願望と「高齢の私にきついトレッキングは可能か」という心配が交錯し,なかなか決断できなかった。それを押したのは,もう一つの理由,「グレート・ジャーニーの行く果てを見たい」という願望だった。(「グレート・ジャーニー」についてはあとで触れる。)
ツアーもあるが,日数が限定され,非常に高額なので個人旅行(単独)とした。ゆっくりした日程を取り,主要個所はいずれも4泊とした。1日は移動と現地調査に取られるので,中3日の天候をみて現地で行程を決めた。パタゴニアの天候はきわめて不安定なので,これが正解かと思う。
国際航空券は成田〜ロスアンゼルス〜サンティアゴ〜プンタ・アレナスとし,ロスまではシンガポール航空,ロスからはラン航空とした。これが一番飛行時間が短く,安い方法である。
行きのロスでの乗継(2時間)は万一のことを考えて一泊することにした。
現地の移動はバスだが,エル・カラファテからウシュアイアへはラン航空を利用(地図参照)。
トレッキングの基準は高齢者でも可能な「高尾山+α」の体力で行ける範囲とした。このため,トーレス・デル・パイネ(18km, 標高差800m)やロス・トレス湖
(25km, 標高差750m)へは行けなかったが,パイネでの現地ツアーやフィッツ・ロイ展望台ですばらしい光景を見ることができた。本文ではトーレ湖やマルティアル氷河など,高齢者でも歩けるトレッキング・コースを紹介したい。
今後計画される方のために,日本では得ることができないトレッキング情報なども掲載した。
その他,氷河ツアーや野生動物クルーズ,ニメス湖の散策など,多くの思い出がある。
「グレート・ジャーニー」とは,人類が15万年前にアフリカで生まれ,世界中に拡散した過程を指す。人々は長い長い旅を経て最後に南米南端のフエゴ島へ行きついた。マゼラン
(フェルナン・デ・マガリャンイス)がいわゆるマゼラン海峡を
通過するずっと前から,多くの原住民がウシュアイアの周辺で暮らしていた。彼らはなぜここまで旅をすることになったのか,なぜこのような過酷な環境を選んだのか,それを現地で見届けるのが今回の一つのテーマである。幸い,博物館や遺跡でそれらの一片を垣間見ることができた。
これから始まるブログでは,日記形式でこれらの感じたことを書き,将来この地域を旅行する人たちのためにいくらかの情報を提供したい。
また,自分の印象ではあるが,観光地を★の数でランキングした。 このブログを通じて,「高齢者でもここまでパタゴニアを楽しむことができる」という提案が参考になれば幸いである。
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